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王 之渙 の 『 涼州詞 』

中国の絶句
07 /27 2019
絶句編テキスト
2019年7月27日 絶句編 109ページ  

   涼州詞      王 之渙 
 黄河 遠く 上る 白雲の 間
 一片の 孤城 万仭の 山
 羌笛 何ぞ 須いん 楊柳を 怨むを
 春光 度らず 玉門関

   
 りょうしゅうし   おう しかん
こうが とおく のぼる はくうんの かん
いっぺんの こじょう ばんじんの やま
きょうてき なんぞ もちいん ようりゅうを うらむを
しゅんこう わたらず ぎょくもんかん

テキストの通釈によると、
黄河をずっと遡って、はるか上流の
白雲のたなびく辺り、ぽつんと一つ、
砦が高い山の上に立っている。
折りから吹く羌族の笛の音は『折楊柳』の曲を
哀切に奏でているが、そんな笛は吹く必要はないぞ。
それを聞いても悲しくなんかない。なぜなら、
ここ玉門関までは春の光がやって来ないのだから。
(柳が芽吹くこともない。春の柳の芽吹くころの
 別れをうたう曲を吹いたって、こっちは関係ない)
 
     ・・・とのことです。

先生のお話によると、
王 之渙(688‐742)は、盛唐の詩人。
若い頃から酒を好み、侠気にあふれていたが、いつの頃からか
読書、勉学に励み、10年位で文人として知られるようになった。
一時役人をしたこともあったが、在野の詩人として活躍した。
王昌齢、高適(こうせき)と親しく、辺塞詩人として有名である。

涼州詞 : 唐代にできた『楽府(がふ)』の題名。
遠 上 : 黄河は崑崙山脈に源を発する。黄河の上流を
   西方へ遡って行くにつれて、地勢が高くなる。 
一 片 : いかにも危なげな、心細げな砦一つの意。
万 仭 : 一仭は8尺(約2m)。
   万仭は実数ではなく、非常に高いこと。   
羌 笛 : 羌族の吹く笛。羌族は中国西北地方にいる部族で、
   チベット系の遊牧民である。
何 須 : どうして~の必要があろうか、いやない。(反語)
楊 柳 : 『折楊柳』という曲のこと。別離の際、
   柳の枝を手折って、はなむけにする習わしがあることから、
   それを主題とした曲。つまり別れの曲である。
   楊は葉が上向き、柳は葉が下向きにしだれている。
 怨  : 『折楊柳』の曲を哀切に吹き鳴らすこと。
   それは聞く者を悲しませることになる。 
春光度 : 度は渡と同じ。西北の地は寒いので、
   春の光はこの玉門関までやって来ない。
   このため楊柳も芽吹かないの意。
玉門関 : 甘粛省敦煌県の西にある。
   唐代における最も遠い辺境の関所。

     ★  ★  ★

★ 起句、承句とがそれぞれ対句になっている。
    黄⇔白  一⇔万
  
★ 『楽府題』については こちら でも ご覧いただけますが、
  前漢7代の武帝は詩を愛して、各地の民謡を集め、
  楽譜をつけ、楽体、楽題ごと、朝廷に保管(楽府)した
   ・・・ とのことです。



   

    【 中国の絶句 】
   王 之渙 の 『鸛鵲楼に登る』










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