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王 昌齢 の 『芙蓉楼にて辛漸を送る』

中国の絶句
11 /23 2019
絶句編テキスト
2019年11月23日 絶句編 113ページ  

   芙蓉楼にて辛漸を送る       王 昌齢 
 
 寒雨 江に 連なって 夜 呉に 入る
 平明 客を 送れば 楚山 孤なり
 洛陽の 親友 如し 相 問わば
 一片の 氷心 玉壺に 在り

   
 ふようろうにて しんぜんをおくるおう しょうれい
かんう こうに つらなって よる ごに いる
へいめい かくを おくれば そざん こなり
らくようの しんゆう もし あい とわば
いっぺんの ひょうしん ぎょくこに あり

テキストの通釈によると、
寒々とした雨が長江(揚子江)にふりそそぐ中を、
夜になってから呉の地にやって来た。
明け方に友人を見送ると、夜来の雨もやんで、
朝もやの晴れゆく中にポツンと楚の山が見える。
洛陽の友人がもし、王 昌齢はどうしているかと尋ねたら、
彼の心は一片のすみきった氷が玉壺の中にあるようだ
(決して彼はくさってないよ)と言ってくれ
 
     ・・・とのことです。

先生のお話によると、
王 昌齢(698~755)は、727年に進士となり、秘書省の校書郎から
汜水の県尉(警察官)となったが、奔放な生活ぶりで
江寧(こうそしょう:現在の江蘇省)の丞から竜標の尉に左遷された。
その後、安禄山の乱の時に官を辞して故郷(南京)に帰るが、
58才位で閭丘暁(りょきゅうぎょう)に憎まれて殺された。

芙蓉楼 : 潤州(じゅんしゅう:江蘇省の鎮江)の西北隅にあって
   北に長江を望む。揚州の向かいになる。
辛 漸 : 王 昌齢の友人であるが、事績ははっきりしない。
寒雨連江 : 寒々とした雲がたちこめ、雨が降りそそいで、
   天と水の区別がつかないさま。
平 明 : 明け方。ものの弁別ができる時間。
楚山孤 : 楚の山がポツンと見える。
一片氷心 : 一片の透き通った氷のような心。
玉 壺 : 白玉で作った壺。
   「清らかさ」という抽象的な概念を「玉壺の氷」という
   具体的なもので表わした→心境の清澄さに用いた。

     ★  ★  ★

★王 昌齢は、役人としては出世しなかったが、
 宮詩、辺塞詩、送別詩などに優れていた。
★この詩は、左遷されて、実際には都へ帰りたいけどと
 強がりを言っている作者の気持ちが感じられる
     ・・・ とのことです。



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