FC2ブログ

趙 嘏 の 『江楼にて感を書す』

中国の絶句
11 /10 2017
続絶句編 250  
 2017年11月10日 続絶句編 155ページ

  江楼にて感を書す   趙 嘏
 独り 江楼に 上れば 思い 渺然たり
 月光 水の 如く 水 天に 連なる
 同に 来って 月を 翫びし 人は 何処ぞ
 風景 依稀として 去年に 似たり


 こうろうにて かんを しょす     ちょうか
ひとり こうろうに のぼれば おもい びょうぜんたり
げっこう みずの ごとく みず てんに つらなる
ともに きたって つきを もてあそびし ひとは いずこぞ
ふうけい いきとして きょねんに にたり

◆テキストの通釈によると、
ただ一人、川辺の楼に登れば、
思いは果てしもなく広がる。
月光は水のように澄みわたり、
水は天に連なって流れている。
ともに来て、月を見て楽しんだ人は、
今、どこに行ったのか。風景だけは、
そっくり去年のままに見えるのに

    ・・・とのことです。

先生のお話によると、    
趙 嘏(815~?)は、晩唐の詩人。
山陽・江蘇省淮安の出身。字は承祐。
844年30才頃、進士に合格。
詩人としては評判が良かったが官職は上がらなかった。
855年頃に、渭南(陝西省)の尉となり、
文名は高まったが、官位は昇らなかった。

月を見て楽しんだ≪人≫は、『唐才子伝』の中に出てくる。
趙 嘏が、科挙の試験を受けるために、浙西(浙江省の西)
潤州を離れているうちに、浙西節度使(地方軍司令官)
盧簡辞(ろかんじ)に女性を奪われてしまった。
翌年、進士になって故郷に帰ろうとし、その事を知り
作った詩を見た盧簡辞が、女性を趙嘏に返した。
ところが、河南省・横水で二人は廻り会えたが、
その二日後、女性が亡くなってしまった。
この詩は、高殿に上って亡き人を偲んで作られた。

         

江 楼 : 川べりの高殿。
渺 然 : 遥かなさま。果てしないこと。
翫 月 : 月を賞し楽しむこと。
   翫=心ゆくまで楽しむ。≪習≫=くり返す
依 稀 : 彷彿たる(思い浮かべる)こと。よく似ているさま
            ・・・とのことです。    




  【 中国の絶句 】
 宇 武陵 の 『 酒を勧む 』







スポンサーサイト



コメント

非公開コメント

 詩吟もえ子

お稽古に参加して六年目です。
皆さまもご一緒にいかがですか?