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荊 叔 の 『慈恩塔に題す』

中国の絶句
12 /01 2017
続絶句編 250  
 2017年12月1日 続絶句編 158ページ

  慈恩塔に題す   荊 叔
 漢国 山河 在り
 秦陵 草樹 深し
 暮雲 千里の 色
 処として 心を 傷ましめざるは 無し


 じおんとうに だいす     けい しゅく
かんこく さんが あり
しんりょう そうじゅ ふかし
ぼうん せんりの いろ
ところとして こころを いたましめざるは なし

◆テキストの通釈によると、
大雁塔(だいがんとう)に上ってあたりを見渡せば、
ここはかって漢の国都があったところ、
山や河は昔のままに残っている。
秦の始皇帝の陵墓は遥か東方にあり、
草や木が生い茂っている。夕暮れ時の雲は、
千里の果てまでも覆い、どこもかしこも、
心を悲しませないところはない

    ・・・とのことです。

先生のお話によると、    
荊 叔 は、生没年不明、晩唐の詩人と思われる。
この詩の内容から晩唐の詩人と推測され、
この一首しかない。これ以上のことは分からない。

慈恩塔 : 長安(現在の西安市)の南にある慈恩寺の境内に、
   今も残る七層の仏塔。大雁塔のことで、高さは約70m。
   三蔵法師(玄奘)がインドから仏典を持ち帰り、
   その仏典を保存するために建てられた塔。
   慈恩寺は、太宗の時代・貞観12年(648)に
   唐の三代皇帝・高宗が太子のとき、亡くなった
   生母・文徳皇后のために建てた寺である。
漢 国 : 長安のあたりをさす。唐代の詩人は、唐王朝を
   はばかる時は「唐」を「漢」に置き換え、
   歴史上のこととして詠む風習があった。
秦 陵 : 秦の始皇帝の陵墓。
   西安市の東郊、驪山(りざん)の北麓にある。
   兵馬俑(等身大)が発見される。
千里色 : 果てしなく空を覆う雲の色。
           
         

杜甫の『春望』を元にして真似て作った詩(本歌取り)
   晩唐の時世を嘆いている。
   人の営みのはかなさと、変わることのない
   自然の営みとを比べている  
            ・・・とのことです。    



  【 中国の絶句 】
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