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王 安石 の 『 夜 直 』

中国の絶句
01 /05 2018
続絶句編 250  
 2018年1月5日 続絶句編 162ページ

  夜 直   王 安石
 金炉 香 尽きて 漏声 残す
 剪々たる 軽風 陣々 寒し
 春色 人を 悩まして 眠り 得ず
 月は 移って 花影 欄干に 上る 


 や ちょく     おう あんせき
きんろ こう つきて ろうせい ざんす
せんせんたる けいふう じんじん さむし
しゅんしょく ひとを なやまして ねむり えず
つきは うつって かえい らんかんに のぼる

◆テキストの通釈によると、
美しい香炉の香も尽きて、時を刻む
水時計の音も次第に微かになってゆく。
そよそよと吹く微風に、ひとしきり夜の寒さが
感じられる。春の気配は人の心を悩ませ、
眠りにつくことが出来ない。そのうちに、
時は移って月は傾き、その月光に照らされた
花の影が欄干のところまで昇ってきた

    ・・・とのことです。

先生のお話によると、    
王 安石(1021~1086)は、北宋の政治家・詩人。号は半山。
22才で進士となったが、家族が多く、貧しかったため、
中央官僚より給料の高い地方官を歴任した。
1067年、神宗によって翰林学士に抜擢され、
1069年には副宰相となり、政治改革にあたった。
翌年には宰相となり、本格的に改革を始める。

王安石の新法の特徴は、中小の農民・商人たちの
保護をするというところにあったが、諫言もあって、
王安石は地方へと左遷された。その後、復職するが、
息子の死もあり、王安石の気力は尽きて、
1076年、56才で辞職、翌年に引退し、
鍾山の近くに庵を作って、隠棲した。
1085年に、神宗が死去し、
翌年には王安石も66才にて死去する。              

夜 直 : 宮中に宿直すること。
金 炉 : 黄金製の美しい香炉。
漏 声 : 水時計の、水のしたたる音。声=音
 残  : かすかになる。尽きそうになっている。
     これを「つく」と読むこともある。
剪 々 : うすら寒い風がそよいでくる様子。
陣 々 : 一陣の風が吹くたびに。
     時間の一区切りのこと。
眠不得 : 眠ろうとしても眠ることができない。 
      
         

★ 地方官を歴任していた王安石が神宗に抜擢されて
  翰林学士として宮中に仕えていた時期の詩である。
  朝廷の官僚は順番を定めて勤務する役所に 
  宿直することになっていた。

★ 金炉香尽きて・・・嗅覚 
  漏声残す・・・・聴覚
  軽風陣々寒し・・・触覚
  月は移って花影・・・視覚
   などの感性に訴えている詩である
       ・・・とのことです。





     【 中国の絶句 】
  戴 益 の 『 春を 探る 』







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