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沈 佺期 の 『 邙 山 』

中国の絶句
04 /20 2019
絶句編テキスト
2019年4月20日 絶句編 105ページ  

   邙 山      沈 佺期 
 北邙 山上 墳塋を 列ぬ
 万古 千秋 洛城に 対す
 城中 日夕 歌鐘 起る
 山上 惟 聞く 松柏の 声

   
 ぼうざん    しん せんき
ほくぼう さんじょう ふんえいを つらぬ
ばんこ せんしゅう らくじょうに たいす
じょうちゅう にっせき かしょう おこる
さんじょう ただ きく しょうはくの こえ

テキストの通釈によると、
北邙山の上には、墳墓がたくさん並んでいる。
それは永遠に、洛陽の町と向き合っている。
町の中では夕方になると、歌舞や鐘鼓の音がにぎやかに響いてくるが、
山上からは、荒涼たる松柏の声だけが聞こえてくる。
 
     ・・・とのことです。

先生のお話によると、
沈 佺期(656?‐716?)は、初唐の文学者・詩人。
20才で進士に合格する。
則天武后に仕え、宮廷詩人として活躍したが、
武后失脚後、ベトナムに流された。
この時、杜甫の祖父である杜審言(としんげん)
も一緒にベトナムに流された。
その後、恩赦によって都に戻り、中宗の
宮廷詩人として杜審言と共に再び活躍する。
美しい詩を多く残し、59才で亡くなった。

邙 山 : 洛北の北邙山は黄土でできた平坦な山で、
   後漢以後、洛中の墳墓の地であった。
   ところどころに畑がまじり、孟津(もうしん)・
   偃師(えんし)・鞏(きょう)の県界にある。
墳 塋 : 墳は土をまるく盛り上げた土饅頭。
   塋は墓のめぐり。二語合わせて墓地の意。 
万古千秋 : 永遠に。          
日 夕 : 夕暮。   
歌 鐘 : 歌と伴奏の鐘。城中の宴楽のさまを、
   この二字に象徴した。
松 柏 : 天子の墳墓には松を植え、
   諸侯の墳墓には柏と半々に植えたという。

 この詩の見どころは、死者の世界と生者の世界の対比にある。
北邙山の墳塋は死者の世界、洛陽の町は生者の世界。
生者の世界では、歌や踊りと歓楽に酔いしれているが、
死者の世界はゴォーという松風の音。
町の人間は、いずれは皆、邙山に帰する。
それとは知らずつかの間の歓楽、邙山は永遠の静寂。
これほど巧みに無常観をうたう詩はないだろう。
人生のはかなさを風刺したものである
   ・・・ とのことです。




   

    【 中国の絶句 】
   王 勃 の 『 蜀中九日 』






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