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王 翰 の 『 涼州詞 』

中国の絶句
05 /26 2019
絶句編テキスト
2019年1月19日 絶句編 107ページ  

   涼州詞      王 翰 
 葡萄の 美酒 夜光の 杯
 飲まんと 欲すれば 琵琶 馬上に 催す
 酔うて 沙場に 臥す 君 笑うこと 莫かれ
 古来 征戦 幾人か 回る

   
 りょうしゅうし   おう かん
ぶどうの びしゅ やこうの はい
のまんと ほっすれば びわ ばじょうに もよおす
ようて さじょうに ふす きみ わろうこと なかれ
こらい せいせん いくにんか かえる

テキストの通釈によると、
葡萄のうま酒を、夜光る白玉の杯に注いで、
飲もうとすると、誰か馬上で琵琶をかき鳴らす者がいる。
したたか飲んで酔いつぶれ、そのまま砂漠の上に
倒れ伏してしまったとしても、どうか笑わないでくれたまえ。
昔からこんな僻地に出征して何人が故郷に帰れたであろうか
 
     ・・・とのことです。

先生のお話によると、
王 翰(687‐726という説がある)は、初唐の詩人。
若い時から気性が激しく、自由奔放。
馬や美女を集めて、狩猟や宴会をしていた。

睿宗(えいそう)の時代、711年、進士に合格。
宰相・張説(ちょう えつ)に認められて中央官僚に任ぜられたが、
張説の失脚とともに汝州(河南省)刺史として左遷され、
最終的には、道州(湖南省)に流されて死去した。
晩年は不遇な生活であったと思われる。

涼州詞 : 涼州は唐の西北の国境にあり、
   今の甘粛(かんしゅく)省武威(ぶい)県。
   酒泉・敦煌・陽関・玉門関の外は西域諸国、
   シルクロードの世界である。領土を拡張し
   要路を確保しようとする中国と、隙さえあれば本土に
   侵入しようと構える胡(異民族)との紛争は耐えない。
   『涼州詞』は、こうした辺境の厳しさや、遠征の苦しさを
   主題とする唐代にできた辺塞(僻地にある砦)詩である。
葡萄美酒 : 西域産の葡萄酒。葡萄はギリシャから
   西域に伝わり、漢の武帝のころ中国に入った。 
夜光杯 : 西域に産する白玉製の杯。夜光を発するところから
   この名を得た。また今のガラスのコップとも考えられる。
琵 琶 : 西域の楽器。馬上で弾ずるものであった。   
 催  : 急き立てられるように弾く。
沙 場 : 砂漠地帯。
 君  : 広く読者に向かっていう。 
征 戦 : 戦争に行くこと。

     ★  ★  ★

★ 詞、行、引、曲、吟などの付く詩は、楽府題である。
★ 楽府題の「府」は音楽を司る役所のこと。
 前漢7代の武帝は詩を愛して、各地に伝わる民謡を集め、
 楽譜をつけ、楽体・楽題として整理し、朝廷に保管した。
 『涼州詞』もそれらのうちのひとつである
   ・・・ とのことです。



   

    【 中国の絶句 】
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