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佐々友房の 『西南の役陣中の作』

日本の絶句
03 /25 2016
続絶句編 250
  2016年3月25日  『続絶句編』 84ページ

   西南の役陣中の作     佐々 友房
 雨は 戦袍を 撲ち 風 沙を 捲く
 江山 十里 両 三家 
 壮図 一蹶 窮無きの 恨み
 馬を 断橋に 立てて 落花を 看る


 せいなんのえき じんちゅうの さく   さっさ ともふさ
あめは せんぽうを うち かぜ すなを まく
こうざん じゅうり りょう さんか 
そうと いっけつ きわまり なきの うらみ
うまを だんきょうに たてて らっかを みる


テキストの通釈によると、
 ≪雨は激しく叩きつけるように着物に降りかかり、
 風も強く、砂を巻き上げるように吹いている。
 十里四方の江山の中に、わずか2~3軒の家が見えるばかり。
 壮大な計画も思い通りにならず、
 今、この地の戦に敗れて、限りない恨みが残る。 
 最後迄、ともに戦ってくれた馬を断橋に立てて、
 ただ落ち行く花を見るのである。≫

 ・・・とのことです。

先生のお話と日本吟剣詩舞振興会発行の『吟と舞』2016年6月号
 ≪剣舞 『西南の役陣中の作』の研究 ≫によりますと、
  佐々友房(1854~1906)は熊本藩士の家に生まれ、
  青春時代には維新の現実を目の当たりに見たが、
  明治7年、西郷隆盛らの征韓論が敗れると、
  友房は薩軍熊本隊の小隊長として西南の役に加わり、
  明治十年、田原坂の決戦に敗れて囚われた。
  
  この作品は、その時の戦場の激しさと敗北感を
  対比して訴えたもので、詩文の意味は
  『砂を吹き上げる激しい風や雨が軍服(戦袍)に降りかかり、
  山や川は見渡す限り荒れはてて、
  家も僅か2~3軒しか残っていない。
  征韓論といった大きな企ては挫折し、
  戦い(西南の役)にも敗れた現在、
  自分は壊れた橋のたもとで、馬上から花の散るのを見て
  無念の思いに打ち込んでいる』 というもの。

  ・・・とのことです。

     ◆  ◆  ◆

この詩を初めて見た時、馬を断橋に立てて、馬を谷に
突き落として、自分も死んでしまうのかと思いましたが、
落花を見る・・・で良かったとほっとしました。

江山 十里 両 三家 については、
戦いの場から逃れてたどり着いた、数軒の家しかない
のどかで静かな山里の風景を思い描いていました。
そうではなく、この山里が激しい戦いの場になって
わずか数軒の家しか残っていないほどだったとしたら、
この山里に住む人たちはどうなってしまったのでしょう?



 


    【日本の絶句】
   大窪 詩仏 の 『雲』     






    
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