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高野蘭亭 の 『月夜三叉口に舟を泛ぶ』

日本の絶句
07 /17 2017
絶句編テキスト

2017年7月17日 絶句編 40ページ  

    月夜三叉口に舟を泛ぶ    高野 蘭亭 
 三叉 中断す 大江の 秋
 明月 新たに 懸る 万里の 流れ
 碧天に 向って 玉笛を 吹かんと 欲すれば
 浮雲 一片 扁舟に 落つ
   
     げつや さんさこうに ふねを うかぶ   たかの らんてい
   さんさ ちゅうだんす たいこうの あき
   めいげつ あらたに かかる ばんりの ながれ
   へきてんに むかって ぎょくてきを ふかんと ほっすれば
   ふうん いっぺん へんしゅうに おつ


テキストの通釈によると、
隅田川の河口に近く、中洲が川を分ち 今戸川も
落ち込むこの三叉のあたりには、秋の気配が濃い。
明るい月影は真新しく天にかかって、
万里の流れが遥々と見渡される。
興に乗じて、青々と澄んだ空に向かって
手慣れた笛を吹こうとすると、
天上から一ひら浮雲が、わが乗る小舟を
迎えるかのように漂ってきたのである。


先生のお話によると、
高野 蘭亭(1704~1757)は、江戸時代中期の盲目の儒学者。
幼い時に読書を始め、15才で荻生徂徠の弟子になり、
17才で盲人になる。
病弱なのに読書により目を酷使し過ぎたためと考えられる。
父の死後、家業は立ち行かなくなったが、
詩人としての名声は高まり続けた。
鎌倉に住んでいたこともあったが、51才で重い病にかかり、
萱場町の自宅において、54才で亡くなった。
蘭亭は、約一万首の詩を作ったが、死ぬ直前に
大量の原稿を焼き、名を遺そうとしなかったが、
後年、門人によって『蘭亭先生詩集』が刊行された。

            

三 叉 口 : 三叉。隅田川下流の清洲橋付近の俗称。
   中洲があり、今戸川が落ち合い、水流が三つに
   分れていた。観月の名所であった。
中 断 : 中を断ち切る。≪中分≫とすべきところを≪中断≫とした。
玉 笛 : 美しい笛。玉は美称。

◆ 墨水三絶
 早に深川を発す     平野 金華
 夜墨水を下る      服部 南郭
 月夜三叉口に舟を泛ぶ  高野 蘭亭  
   ※ 三人共、荻生徂徠の門弟である
    ・・・ということです。




    【 日本の絶句 】
   服部南郭 の 『夜墨水を下る』






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