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張謂 の 『長安主人の壁に題す』

中国の絶句
08 /04 2017
続絶句編 250  
 2017年8月4日 続絶句編 143ページ

  長安 主人の 壁に 題す   張 謂
 世人 交を 結ぶに 黄金を 須う
 黄金 多からざれば 交 深からず
 縱令 然諾して 暫く 相 許すとも
 終に 是れ 悠々たる 行路の 心 

   ちょうあん しゅじんの へきに だいす
  ちょうい
   せじん まじわりを むすぶに おうごんを もちう
   おうごん おおからざれば まじわり ふかからず
   たとい ぜんだくして しばらく あい ゆるすとも
   ついに これ ゆうゆうたる こうろの こころ


◆テキストの通釈によると、
世間の人は交際を結ぶとき、金の力を目安とする。
だから金が多くなければ、交際も深くならない。
たとえ友人となることを承知した仲でも、
(金の切れ目が縁の切れ目で、交際は次第に疎くなり)
しまいには、通りすがりの人のような心になってしまう

    ・・・とのことです。

先生のお話によると、    
張 謂(721~780)は、中唐の詩人。
河南省沁陽(しんよう)県の人。若い頃、
中国五山のひとつである 崇山で学ぶ。
17才で郷試(きょうし)に合格。
進士の試験を受けるため長安に出てきて3回失敗し、
22才で合格する。この失敗した時期に作った詩である。

52才で、科挙の試験の委員長である知貢挙(ちこうきょ)となるが、
そのあと、左遷されて譚州(たんしゅう)の長沙(ちょうさ)の長官となる。
酒が好きで、湖や山を訪ね、詩を作るのも上手であった。

人間不信の詩とも言える この詩に対比される詩に
杜甫の『貧交行』がある。『貧交行』は古詩で、
紀元前となる春秋時代に、管仲(かんちゅう)
鮑淑(ほうしゅく)との関係、首をはねられても交わりを
続ける 刎頚(ふんけい)の交わり を詠んでいる。

     ◆  ◆  ◆

長安主人 : 張 謂が進士の試験を受けるために、
   都の長安に滞在していた下宿屋の主人。
 須  : ~~を必要とする。
然 諾 : 承知すること。    
相 許 : 心の底まで打ち明けるほどの間柄となる。
悠 々 : 無関心な態度。
行路心 : 通りすがりの人の冷たい心。 

 ◆中国五山(五岳)
   北岳   恒山
   西岳   華山
   南岳   衡山
   東岳   泰山
   中岳   崇山
     ・・・とのことです。
   
      



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